「もう………、好きなのかどうか、わかんなくなっちゃったよ………」

俯いてそう言う彼女の姿

僕はその姿を直視できなかった












寝不足無気力インソムニア











彼女曰く。



僕には優しさが無いらしい。

自分がいてほしいときにいてくれず。

あろうことか僕は彼女に来るのを控えろ、とまで言った。

嬉しくて、恥ずかしくて、思わず言ってしまったその言葉は、彼女をどれだけ傷付けていたのか、今頃になって僕は知った。

それなのに彼女は今までずっとソレを黙って、僕が苦しいときにいつも傍にいてくれた。

胸にそんな寂しさを抱えてもなお、いつだって笑ってくれていた。

だから嫌われてしまったのなら仕方が無い。

むしろよく今まで我慢してくれた。堪えてくれた。

僕は君の事が今だって好きだ、愛してる。

でも、それでも、もしも。

君が――――――×××が、僕をもう愛せなくなってしまったなら、嫌いになってしまったなら。

僕はそれを受け入れようと思う。

僕がもしも君の立場で、好きでもない相手と何時までもいなくてはならないとしたら、それは苦痛以外の何物でもないだろうと思うから。

僕はこの心にある君への想いも、望みも、情愛だって、全部ゴミ箱に捨ててやる。

そうすれば君と僕の間にはもはや何もない。

君は僕のことなんか気にしないでいい。忘れていい。

ただ前を向いて、そして次の人を捜すのだ。

君は本当に素敵な女の子だ。

僕のように自分勝手で、鈍感で、何のとり得もないような人じゃない。

もっと素敵な男性が、君ならきっと見つけられる。

君は幸せになってくれることこそ、僕の幸せだ。



でも、僕は時々不安になる。


僕は君が好きだ。

今だって好きだ。

だから。

もし、もしも君が別れよ、と言ってきたなら、僕は本当に、黙ってそれを受け入れられるのだろうか?

醜く、汚らしく、僕は地面に這い蹲ってでも、僕は君に懇願してしまうのではないだろうか?

「どうか、どうか、別れないでくれ。僕は君と、別れたくない」、と。


………自信がない。


………あぁ、そんな僕を、君はどう思うだろう。

そして君は今、一体どんな事を考えているのだろう。

何を思って、何を望んでいるのだろう。

わからない。

わからない。


………頭が痛くなってきた。


今日はもう寝ることにしよう。

明日になれば、もしかしたら彼女からメールが来るかもしれない。




えーと、これは全部フィクションです。

団体名とかは全部実在のモノとは無関係です。

おわり。



















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